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結婚はしたいけれど、子どもを望む気持ちが違うとき

将来の子どもについて希望が異なる恋人同士がテーブルで向き合って話す

結婚の話は進んでいる。住む場所も、家族への挨拶も相談できる。それなのに子どもの話になると、「いつかね」「今はまだいいかな」で会話が止まってしまう。

その返事を、今は忙しいだけだと受け取っている人と、将来も望まないと遠回しに伝えたつもりの人。二人が別の未来を想像したまま、結婚の準備だけが進むことがあります。最初に必要なのは、子どもを好きになってもらう説得ではなく、何について合意できていて、何が違うのかを確かめることです。

目次

「結婚したい」は「子どもが欲しい」の返事ではない

一緒に年を重ねたい、生活を共にしたい、家族として支えたい。その気持ちがあっても、親になりたいとは限りません。反対に、結婚を考える理由の中に「子どもを育てたい」が強くある人もいます。

どちらの希望も、相手への愛情の量だけでは説明できません。「私との子なら欲しいと思うはず」「結婚してくれるなら、子どもは諦められるはず」と結びつけると、本当の希望を言うことが相手への拒絶になってしまいます。

すでに結婚したいと伝え合っているなら、その合意を毎回疑い直す必要はありません。「一緒になりたい気持ちはある。そのうえで、子どものいる生活を望んでいるかは別に聞きたい」と、話題を切り分けられます。結婚についての返事で、子どもについての答えまで埋めないようにします。

曖昧な言葉を待ち続けた人、先に意思を伝えた人

公開された体験談の中には、相手の励ましを「同じ希望の表れ」だと受け取り、後から違いに気づいたという経過を語る人がいます。励ましの言葉が優しさから出ていても、子どもの希望まで一致しているとは限りません。

一方、結婚前に「子どもは持たない」という意思を明言した人の体験談もあります。相手も迷っていたと後から分かったそうですが、少なくとも結婚の前に、二人は違いの存在を知った状態で選べました。

出産後に子どもへの深い愛情を語りながら、「当時はもっとはっきり希望を伝えたかった」という思いを残す声もあります。後から幸せを感じたことと、その前の意思決定に納得していることは、一つにできません。

結婚情報誌の回答欄にも、相手の気持ちが変わることを期待して交際を続けたいという声と、違いを抱えて結婚するのはつらいという声が並びます。続けるという同じ選択でも、「今の意思を受け止める」のか、「そのうち変わると見込む」のかで、待つ時間の意味が違ってきます。

変わった人の経験は、変化が起こる可能性を教えてくれます。しかし、それを目の前の相手の将来の返事として扱うことはできません。今の相手が示している意思を、いったんそのまま聞くところから始めます。

話す前に、自分の希望も分けておく

相手の段階を見る前に、自分の希望も分けておくと会話がぶれません。子どもが欲しいという気持ちの中身は、人によって違います。

  • 一緒に育てる生活そのものへの希望
  • 親になることへの憧れや、家族の形への希望
  • 周囲や親からの期待に応えたい気持ち
  • 年齢や将来への漠然とした不安

どれが中心にあるかで、相手とすり合わせられる部分が変わります。例えば不安が中心なら、調べることで落ち着く部分があるかもしれません。反対に、育てる生活への希望が中心なら、条件の調整だけでは埋まらないこともあります。自分の側の内訳が見えていると、相手の返事を聞くときも、どの部分への答えなのかを分けられます。

話し合いは一回で決着させる場にしないことも大切です。今日は互いの今の気持ちを聞く日、次は調べたことを持ち寄る日、と分けると、一度の会話に結論の重さが乗りすぎません。

「今は望まない」にも、段階がある

子どもを望む気持ちが違うときの三つの意味。条件が整えば検討したい、将来も望まない、まだ答えがないを区別する図解

同じ「今は考えられない」でも、話すべきことは変わります。条件の話なら何を確認できるか、望まない意思ならその希望を尊重できるか、まだ分からないなら何を調べて次に話すか。まず相手の返事がどの位置にあるかを、決めつけずに聞きます。

「今は」が、具体的な事情を指している

転職直後で収入の見通しがない、病気の治療を優先したい、今の勤務では育児を引き受けられない。こうした返事なら、何が変われば検討できるのかを聞けます。

例えば「仕事が落ち着いたら」だけでは、忙しさがなくなるまで話が戻ってきません。「次の異動の見通しが出たら、働き方と分担を調べる」と言い直すと、待つ間に進められることができます。ただし、条件が整ったら必ず欲しくなる、と約束させる話にはしません。

生活を変えること自体を望んでいない

自由な時間や仕事を手放したくない、育てる責任を負いたくない、親になる人生を望んでいない。理由がこうした意思なら、家計の計算が済んでも答えは変わらないかもしれません。

「お金なら何とかなる」と返す前に、相手は金銭だけを心配しているのかを確かめたいところです。子どもを持たない希望に、相手を納得させ切れる理由が付いていないからといって、未決の返事へ書き換えてよいわけではありません。

自分でも、まだ答えを持っていない

友人の子どもを見ると惹かれるが、毎日育てる暮らしは想像できない。望んでいるのが自分なのか、周囲の期待なのか分からない。そんな未決もあります。

この段階で「結局どっち?」と迫ると、関係を壊さないための答えが出ることがあります。知りたいことを一つ選び、調べる時間を取るほうが現実的です。育休中の収入、二人の勤務、家族に頼める範囲など、知らないことと、望んでいないことを混ぜずに置きます。

条件を動かせば変わる話と、変えられない希望を見分ける

話が具体的になったら、どちらがどれだけ生活を変える想定なのかを確かめます。「協力するつもり」は、朝の支度、夜の対応、通院、仕事を休む判断まで含んでいるでしょうか。片方だけが今の仕事や体調への影響を引き受ける計画なら、不安を言葉で打ち消すより、計画そのものを見直す必要があります。

子どもを望む理由も聞いてみてください。一緒に育てる生活への希望なのか、親を喜ばせたいのか、結婚には当然ついてくると思っていたのか。理由を聞くのは、その希望を論破するためではありません。二人で変えられる条件があるかを探すためです。

価値観全般を整理したい場合は、お金・時間・暮らしの違いを分ける考え方も参考になります。ただ、子どもを持つかどうかは、家事の割合のように半分ずつにできる答えではありません。

妊娠への不安や身体のことが未決の理由なら、本人が希望する範囲で医療者に相談できます。検査で相手を説得する、年齢から残り時間を記事だけで計算する、といった進め方は避けます。情報を増やすことと、産む意思を引き出すことは別です。

期限を決めるなら、説得の締め切りにしない

曖昧なまま待つことが苦しいなら、次に話す時期を決められます。その日までに必要なのは、必ず同意の答えを出すことではなく、互いの希望と調べたことを持ち寄ることです。

「次に話すまでに、私は子どものいない生活を選んだ場合にどう感じるか考えてみる。あなたには、今は迷っているのか、将来も望まないのかを、言える範囲で聞かせてほしい」

一方で、望まないと明確に答えた相手へ、期限のたびに同じ説得を繰り返すのは負担になります。待つのは自由でも、待っていることによって相手に変更の義務が生まれるわけではありません。

自分にも「この関係を選ぶ代わりに、この希望を手放せるか」という問いが残ります。今は答えられないなら、その迷いも相手へ伝えてよいものです。結婚準備や周囲への説明が進んでいることだけを、決断の理由にしないようにします。

話した内容は、その場の空気で上書きされないよう、二人で短くメモに残す方法もあります。「今日はどちらの希望も変わらなかった」「次は勤務と収入について調べたことを持ち寄る」など、決まったことと、まだ決まっていないことを分けて書きます。メモは相手を縛る証拠ではなく、次の話を同じ場所から始めるための道具です。

一致しないまま残る、選びたくない選択肢

子どもを持たずに二人で暮らす、結婚の予定をいったん止める、関係を終える。どれを考えても寂しさがあり、話が十分できたからといって、選びやすくなるとは限りません。

それでも「いつか同じになる」という見込みを外して考えると、今ある選択肢が見えてきます。子どもを望む自分を責める必要も、望まない相手を冷たい人に変える必要もありません。結婚の約束を守るために、どちらかの大きな希望だけが、なかったことになっていないか。最後に残るのは、その確認です。

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